其処はとても居心地のいい場所なのです。
暖かい笑い声。
信頼しあえる仲間。
頼れる相手。

愛される・・・
恐怖を除いて・・・。






【灰猫2】






最初の一夜以来何処か距離感が
うまく掴めずにいる
ゾロとサンジもまた
何処となくとの接し方に途惑っていた。
それでもやはり彼等の眼差しや
熱の篭った視線は時折に襲い掛かる。
その度に訪れるフラッシュバック。
無理やり体を開かされ
組み敷かれる恐怖はの体を竦ませた。

身構えてから数日が経ち、
数ヶ月が経っても彼等はをどうこうする気配はなく
叙所に緊張を解していった
なるべく最初の出来事は無かった事にしようと
周りに溶け込めるようにと
表面上はいつも気さくに話し笑っていた。


だが一度崩れてしまった均衡は保てるはずもなく・・・
キッカケさえあれば爆発してしまう。



はある夜激しい咳に襲われ目を覚ました。




この所風邪気味だったから・・・

もともと気管支があまり丈夫では無い
激しい咳き込みについに横になっているのが辛くなり
キッチンへ薬を飲むために水を汲みに部屋を出た。

冬島へ向かっているメリー号は
海上とゆうせいもあり酷く冷え込んでいた。
そのまま夜着で部屋を出ると悪化しそうに思い
はベットから毛布を引き寄せ
かぶさりながらヒタヒタとキッチンへ向かいドアを開く。

・・・コレってルフィー対策よね・・・

目に映った冷蔵庫の前にある
巨大なネズミ捕りに笑みを浮かべ
は所々に仕掛けてあるトラップを踏まないように
水を汲み持ってきた薬を飲み干した。




ギィ・・・




後ろから聞こえたドアの開く音には苦笑する。

「ルフィー。サンジ君じゃなくて私だから
そんなに気配殺して入ってこなくていいわよ」
さん?」

掛けられた声にの体が硬直する。

「サンジ君っ・・・」

そのまま踵を返し
キッチンを出ようとしたの腕をサンジが捕まえる。

「逃げないで」
「逃げてないわよ。部屋へ帰るだけ・・・おやすみ」
「ずっと貴女の事を考えてた」
「へェ、今度はどうやって犯そうかって?
・・・ッふざけないで!!!」

の手のひらがサンジの頬を思いきり叩く。
よけようともせずにその手を掴み
サンジは月明かりに薄っすら浮かび上がる
の怯えたような瞳に顔を歪ませる。

「貴女にそんな目をさせたいんじゃないんだ」

怯えるよりも
余程つらそうな顔をしたサンジの表情に
一瞬の胸が痛む。

「今更・・・何?
夜・・・他のクルーの居ないときに私に話しかけないで」
「貴女を愛してるんです。心から・・・。
貴女の顔がずっと・・離れない」

サンジの腕がの腰にまわりぐっと引き寄せられる。

「離してっ!!!大声出すわよ!!!」
「そんなに俺が嫌いですか?」
「嫌いよ。
力でしか女をねじ伏せられないような男を
・・・好きになれっていうの?」

サンジの顔が苦痛に耐えるように歪む。

「貴女が抵抗すればする程俺は貴女を抱きたくなる。
俺もクソマリモも。そんなに俺に抱かれるのは嫌かい?」
「嫌よ!!!」
「そっか。じゃぁ仕方ねェな。」

サンジがの腕を片手で易々と拘束し
震えるの唇をぺろりと舐める。

「じゃぁ俺は貴女を抱かないよ」
「それじゃぁ離して」
さん、俺は【抱かない】って言ったんだ。
・・・分かる?意味」
「・・・っ・・まさか・・・」
「見ててやるよ。
が乱れて快感に流される顔を・・・
きっとクソ綺麗だろうよ」

サンジの先ほどまでの自嘲するような笑みは
綺麗に消え去り後ろから音もなくゾロが
滑り込むようにキッチンへと入ってくる。

「ゾロ!!!貴方見張りなんじゃ・・・」
「今ウソップと変わってきたトコだ。
お前に触れなくて気が狂いそうだったぜ。」

ゾロの口の端を持ち上げた笑みが
月光に照らされぼんやりと浮かんだ。






キッチンのテーブルに押し倒され
後ろ手をゾロのバンダナで拘束されたまま
は抵抗する術も無く
ゾロに後ろから突き入れられていた。
頬にあたるひんやりとしたテーブルの感触が空しくて
はせめてもの抵抗にと必死に声をかみ殺す。

「クソ綺麗だぜ?さんvv
ほら。もっとやらしい顔俺に見せて?」

サンジが笑みながら煙草の煙を吐き出す。

「誰がっ・・・っあ・・・」

反論しようとかみ締めていた唇を解き
口を開いた瞬間ゾロの指がの口内に侵入し舌先を弄ぶ。
噛み付いても引かないゾロの指が
下半身から伝わる律動に合わせて
抜き差しされるうちには堪えきれずに声を上げた。

「んああぁああぁ・・あっ・・・」

深く突き入れられ濡れた音が
キッチンに響く事の恥ずかしさに目を閉じると
不意にサンジの指先が夜着の隙間から差し入れられ
すでに色づいている胸の頂をこね回す。

「やめっ・・・やだっ・・・」
「すっげェ締め付けてきやがるくせに
何言ってやがる・・っ・・・・」

耳元に囁きかけられたゾロの言葉が
快感でかすれている事に
思わずは身震いする。

「いい加減俺達の猫になりな。
さんだって本当はそれを望んでるはずだろ?」

サンジが乱れるの髪を梳きながら
ぴちゃりと色づいた耳朶を含み
指先での胸を愛撫する。
ゾロが荒々しく裡をかき回し
口内に入れた指先での嬌声を引き出す。
は絶え間なく襲う快感を振り切ろうと首を振る。

「もうっ・・・やめっ・・・・」
「っ・・・すげェな・・
吸い付いてきやがるっ・・・くっ・・出すぞっ」

ゾロのかすれた声につられるように
も絶頂へと向かった。
背中にどろりとした感触が広がる。
涙に濡れるの頬を
サンジがぺろりと舐め微笑む。

「貴女は本当にクソ可愛いくて生意気な俺達の猫だ。」
「俺達がどれだけてめェに惚れこんでるか
・・・まるでわかっちゃいねェな」
「さぁ、次は俺の番ですよ?さん。
クソ気持ちよくしてやるよ」

サンジとゾロの声を何処か遠いところで聞きながら
はそっと目を閉じる。
薄れる意識に身を任せは闇へと急速に落ちていった。
気を失ってしまったの体を労わるようにゾロが抱きかかえ
サンジが慈しみを込めて額へとキスを落とす。



「貴女が好きでどうにかなりそうだ」
「どうやればお前の全部が手に入る?」



ゾロとサンジは眠るの唇にかわるがわるキスを落とした。



























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